アナログ・ディジタル回路と信号処理システム
1ビットオーディオとして、携帯電話や液晶テレビなどに広く使われている技術です。その基本的性質の解析や新たな方式の研究を行い、また計測機器への応用を開発しています。


AD変換の流れ

一般的なA-D変換器は次のようなプロセスでアナログ信号をディジタル信号に変換します。

アナログ信号から一定の時間間隔で値を取り出す
離散的な振幅値に四捨五入
“0”,“1”の2値の符号を割り当てる

ΔΣ変調方式A-D変換器について

ΔΣ変調方式の特徴として2つの性質があります。

オーバーサンプリング
従来のA–D 変換器が信号帯域の2倍程度の周波数でサンプリングを行うのに対し、 オーバーサンプリング方式では、信号帯域の数十~数百倍の周波数でサンプリングを行う。 そのため、プレフィルタに要求される性能が軽減され、次数の低い簡単な回路で済む

ノイズシェーピング
ΔΣ 変調器の出力は多くの場合、1ビット信号であるが、 量子化誤差を信号帯域より高い周波数に形成するノイズシェーピング特性により、高分解能を得ることができる。

これらの性質によりΔΣ変調器は高性能なA-D変換器を簡単な回路構成で低コストで実現することができます。 しかし、より高性能な高次のΔΣ変調器を設計する場合や入力が小信号である場合に動作が不安定となる問題があり、 それらの問題の改善やΔΣ変調器の応用に関する研究が行われています。


研究内容

当研究室ではΔΣ変調器に関して次のような内容を研究しています。

最適設計法

安定に動作し高いSNRを得ることができるA-D変換器の設計法に関する研究

実装評価

市販ΔΣ 変調器 IC の性能評価を行い、高精度で動作する実装方法を検討する

ディザによる性能改善

ΔΣ変調器の安定動作、性能改善効果が得られる最適なディザ信号を検討する

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